『○○と私』シリーズ 「教科書と私」
皆さんは「教科書」と聞いて、思い出す出来事はありますか?
教科書は、学校に通っている間ずっと使っていたものなので、結構思い出が詰まっているような気がします。
コロナ禍を通じて、タブレットによるデジタル教科書なるものも話題になりましたが、
私はやっぱり「紙」の教科書が好きです。
教科書と聞いて1番最初に思い出す事は、中学の国語の教科書に掲載されていた村上春樹の
「バースデイ・ガール」という作品があまりに面白くて、普段は読まない教科書を家でも繰り返し読んだ事です。
些細な思い出ですが、今でも教科書と聞くと、そのときの事を思い出します。
中学生の私にとって、村上春樹の作品は、なんとなく大人が読む本だと思っていたのですが、授業でこの作品に
触れてから、その独特の世界観に惹かれ、村上春樹作品のイメージが大きく変わりました。
前置きが長くなってしまいましたが、今日は教科書の紙と、教科書を取り巻く環境について
少し紹介したいと思います。
小学生のころ、「“置き勉” 禁止!!」なんて先生から言われた方も多いのではないでしょうか。
宿題に使わない教科書を学校に置いておく、いわゆる「置き勉」を認めず、教科書は全部持ち帰りましょう!
という生徒指導、ありましたよね?! 昨今、成長途中の子供たちへの配慮から、ランドセルはもちろん、
教科書の軽量化への取組みも一層広がってきました。
ただし、軽量でありながらも、破れにくくする必要があります。教科書は直接書き込む事を前提としているので、
消しゴムで強く消して、グニャっとなってしまっても、なかなか破れることはありません。
新聞紙などと比べると、圧倒的に耐久性に優れている事がわかると思います。
次に、教科書の利便性を実現しているのは、一体どんな紙なのでしょうか。
文字が裏写りしない工夫は当然ながら、実は教科書の「どんな内容か」によって採用される紙が違うのです。
例えば、「文字中心」の教科書には、小さな文字を綺麗に印刷できる印刷適正も求められるので、
上質紙や書籍用紙が用いられています。上質紙や書籍用紙は、非塗工紙なので、文房具の種類を選ばす、
書き込みしやすい上に、長時間見ていても目が疲れにくいというメリットがあります。
「写真が多い」社会科の資料集や、汚れや水濡れなど、耐久性を求められる教科書の表紙の場合は、
ツルツルしていて書き込みにくいというデメリットはあるものの、カラーや写真を美しく表現するコート紙
が使用されるケースが多いです。
軽いのに、破れにくく、綺麗に印刷ができて、文字が透けなくて、書き込みしやすい、、、
なんてかなり難しい気がしますが、製紙メーカーや出版社が研究を重ねた結果、今日の使いやすい教科書が
世に生み出されていたんですね。
よく考えてみると、1年間毎日使っていても破れず、劣化することがほぼないのは凄いことだと思います。
そして使っているうちに自分流の味のようなものが出るところも、また魅力的ですよね。
最後に、教科書の環境への影響についても考えてみたいと思います。
教科書の製造には、リサイクル紙を使用することが推奨されているので、多くの教科書は、
環境に配慮したバージンパルプと良質な古紙パルプを使用した特別な紙が採用されており、
環境にもやさしい植物油インクを利用している例もあります。
教科書を捨てる場合は、段ボールと同様に、資源ごみの日に古紙として出せるので、私たちも教科書を通じて、
より持続可能な未来の構築につながることを忘れないようにしたいですね!
今日は様々な角度から教科書について、ご紹介させていただきました。
皆さんもこの機会にぜひ、教科書にまつわる出来事を思い出してもらえたら嬉しいです。
by だいちゃんまま