紙って転写にも使われるの?!
紙には、記録する、包む、拭くといった基本機能がありますが、それ以外にもさまざまな特殊な使い方があります。
その中でも、あまり知られていないのが、「転写する」という機能です。
紙で転写なんてできるの?と思われる方も多いと思いますが、実はみなさんの生活に密接に関係しています。
例えば、Tシャツのプリント、食器の絵柄、カーテンの模様などいろいろな場面で転写紙が活用されています。
身近ですよね!
転写の方法もいろいろな種類があり、それに合わせてさまざまな紙があります。
例えば、水転写。
タトゥーシールとしても使われる、水に濡らして転写する方式です。
紙に特殊インクで印刷された図柄が転写されるのですが、特殊なコーティングがされた転写紙を水に浸すと水溶性のコート層が溶かされ、インクの層が遊離して転写される仕組みです。
3Dの曲面に転写が得意なので、肌にも転写ができるんですね。
これからの季節は、ロックフェスやスタジアムでのスポーツ観戦の際にも色とりどりのタトゥーシールを楽しむ方が多いのではないでしょうか。
水転写はもっと身近なところでも使われています。
実は、陶磁器やガラス食器などの図柄の転写でも活躍していますよ!
捺染(なつせん)転写にも日々お世話になっています。
純白ロールなどの平滑の高い紙に印刷されたインクを熱で単純にテキスタイルの生地に転写する昔ながらの方法がありますが、最近ではインクジェットの技術を用いた昇華捺染転写という方式がメジャーになっています。
昇華転写専用紙に専用インクでインクジェット印刷し、ポリエステルが含まれているテキスタイル生地にプレス加工して熱と圧量を加えることで、インクが昇華(気化)し、熱で軟化したポリエステル生地の中にまでインクが浸み込むという方法です。
転写紙にインクジェット印刷した図柄を自由に転写でき、多色の再現が可能で、しかもインクが生地と結合するので色落ちもしにくいという特長があります。
スポーツユニフォーム、Tシャツなどの衣類だけではなく、店頭に出ているのぼりや、テーブルクロスなど、目にする機会が多々あります。
転写紙の種類や使用用途はまだまだたくさんあります。
もちろん紙ではなく、フィルムを使う場合もありますが、身の回りのあらゆる場所で使用されているので、ぜひみなさんも転写プリントを探してみてください。
日用品にも、ファッションにも、スポーツにも・・・。デジタル化が進んでも、紙と人間の生活は切っても切れないですね!
by Q太郎