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紙×エコ日記

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燃えない紙!?

レイブラッドベリという作家のSF小説「華氏451度」をご存知でしょうか。
本の所有、読書を禁じられた架空の世界を描いており、読書をさせない=思考を禁止する愚民政策の恐ろしさを描いており、そのユニークなタイトルと合わせて記憶に残ります。
「華氏451度」とはズバリ、紙が自然発火する温度であり、我々に馴染みの摂氏でいえば約233度です。
(実際には、紙の種類により発火温度は異なるそうです。)
主人公は本を取り締まる昇火士で、451と刻印されたヘルメットを着用し、見つけた本を次々と焼き払っていきます。
恐ろしい世界ですね。
(後に主人公が読書に目覚めることで、物語が展開してゆきます。)

ところで、皆さんは料理やお菓子作りで使用するクッキングシートと呼ばれる紙をご存知ですよね。
かなりの高温になるオーブンの中で、この紙はなぜ発火しないのでしょうか?
答えはグラシン紙です。クッキングシートの基材には、パルプを細かく潰して高圧を掛けて抄造したツルツルなグラシン紙が使用されています。
グラシン紙は高密度なので繊維間に隙間がなく、普通の紙よりも耐熱性が高いのです。
加えて、このグラシン紙に耐熱性に優れるシリコーンを塗工しているので、クッキングシートはかなり薄いのにもかかわらず、高温下でも簡単には発火しない仕組みなのです。

似ている紙でバターやチーズの包み紙としても使用されているパーチメント紙という半透明の紙があります。
この紙は繊維を硫酸で溶かして製紙することで高密度化を実現しており、同じく耐熱、耐水、
耐油性があります。
そもそもパーチメント(羊皮紙)とは羊やヤギの皮を薄く延ばして筆写用に使われていたもので、紙が普及するまでは書物、巻物で広くヨーロッパを中心に使用されていました。

現代のパーチメント紙なら、昇火士も真っ青の燃えない本ができるかもしれませんね!

by ガンセキオープン

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