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紙×エコ日記

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フィリピンから世界に羽ばたく、ドバイ育ちの和紙職人

ふとしたきっかけでSNSを通じて30年以上の前の小学校時代の友人と再び繋がりました。
当時、私はドバイ日本人学校に通っており、そこでのクラスメイトでした。
久しぶりにやり取りをすると、彼は現在、和紙職人・和紙デザイナーとして独自の世界観を持って活動していると知り、大変驚きました。

その驚きはさらに増しました。
なぜなら、彼がその舞台を日本ではなく、遠く離れた南国フィリピンに移していたからです。
和紙職人と言えば、日本の伝統文化を守り継承する職業というイメージが強いですが、彼はフィリピンの地で豊かな自然資源を活用し、新たな挑戦を続けています。


彼は、パイナップルの葉やバナナの幹などの農業廃棄物、アバカ麻、コウゾ、そしてフィリピン特有のサラゴ(フィリピン雁皮)といった自然素材、さらに古紙や段ボールの端材を原料に、日本の和紙製法を応用・発展させて革新的な作品を生み出しています。

彼の作品は「紙」という枠を超え、私たちが知っている和紙の概念をも超越しています。
まるで自然そのものが形を持ったかのような独自の質感と美しさを持ち、ただの紙ではなくアートとしての価値を備えています。
彼の手掛ける作品は、紙の可能性を無限に広げ、想像を超える驚きと感動をもたらしています。
紙の新たな可能性を追求し、多くの人々を魅了し続けているクリエイターになっていたのです。

彼が代表を務めるMASAECO INC.は、タガログ語の「Masa(大衆)」と英語の「Ecology(環境学)」を組み合わせた社名で、持続可能な未来への意識を広めたいという強い思いが込められています。彼の作品は単なる製品作りにとどまらず、環境に配慮し、サステナビリティ(持続可能性)の理念を現代社会に根付かせるメッセージそのものです。
フィリピンという異国の地で、日本の伝統を基盤にしながらも、現地の自然素材や文化を取り入れた彼の挑戦は、紙という素材が持つ無限の可能性を体現し、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

そして、わずか8人のクラスメートだった小学校時代から30年経て、形は違えどお互いに「紙」の仕事に携わっていることに、深い縁と大きな喜びを感じた再会でした。

by  ダイヤモンド☆Uカイ

 

佐久間航(さくま わたる)氏
1979年兵庫県生まれ。
MASAECO INC. CEO / 代表取締役社長
幼少期をドバイで過ごし、小学校時代を経てインドで高校生活後、米国テネシー州Memphis College of Artに入学、卒業。2005年にフィリピンへ移住。現在はカビテ州タガイタイ市を拠点に、環境に配慮した作品作りに専念。
フィリピン貿易産業省主催の「デザイン&ライフスタイル展」などで数々の賞を受賞

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※記事及び写真の掲載にあたり、佐久間航様よりご了承をいただいております。

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