熱接着できる紙!!
紙とプラスチックの違いってたくさんありますよね。
そもそも紙は植物繊維でできていますが、プラスチックは石油からできています。
数多い物性の違いの中でも、大きな違いの一つが接着性です。
接着といっても接着剤での接着ではありません。
紙はもちろん伝統的なデンプン糊でも接着できますが、プラスチックだって強力な接着剤で接着することができます。
でも、熱接着の場合はどうでしょうか。
植物繊維でできている紙は熱に弱く、高温に触れると水分が蒸発して焦げたり燃えたりします。
紙は熱で溶けないのです。
一方、プラスチックは素材にもよりますが、基本的には熱によって軟化し、冷やすと固まります。
これを熱可塑性樹脂といいます。
溶けるので、別々のものを溶かしてくっつけて、また冷やして固めることで2つのものを1つにする、つまり熱接着(ヒートシール)ができます。
プラスチックフィルムは、例えばポリエチレンのように熱を加えると溶けてヒートシールしやすくなるので、機械で充填しながら、たくさんの袋状のものを作っていくのが得意です。
だから、日頃私たちがしばしば手にするお菓子や薬など、大量消費されるものにはプラスチックフィルムが多く使用されているのです。
お弁当についてくる醤油やマヨネーズなどの小袋もフィルムのものが多いですね。
プラスチックは加工しやすく、コストも安いという意味では素晴らしい素材なんですよね。
しかし、紙も負けてはいません!
熱接着できる紙があります!!
昔からあるのはポリラミと呼ばれる紙です。
文字通り、紙にポリエチレンなどの熱可塑性のあるプラスチックをラミネートして、その素材を溶かすことによって接着する形です。
でも、その場合は紙だけではなく、プラとの複合素材ということになりますね。
「それじゃ意味ないじゃん、脱プラじゃないじゃないか」という鋭いツッコミ、ありがとうございます。
紙だけでもヒートシールできる紙があります!!
ポリエチレンなどの異素材のラミネートではなく、ヒートシール剤と呼ばれる薬剤を紙に塗工して、紙と紙とを熱接着させることができるのです。
まさに、神技(紙ワザ)!!
(正確には紙に塗られている薬剤と薬剤が融着するので、擬似接着ということになります。)
ヒートシール剤は主にアクリル系樹脂からできていますが、それでもプラスチック使用量を極限まで少なくした、「ほぼ脱プラ」です。
さらに、植物由来のヒートシール剤を使用する場合もあるので、その場合は「もっと脱プラ」ということになります。
プラスチックフィルムの包装をやめて商品を届けたい、でも裸では出せない、そんな場合にヒートシール紙が活躍します。
Paper&Greenでは、ピロー包装などの自動充填ができるヒートシール紙や中身が見える半透明のヒートシール紙を使用した脱プラパッケージをPaper&Greenオリジナルブランド「紙xエコ」シリーズのラインナップ、「紙xエコ シールパック」として紹介しています。
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by Q太郎