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カミエコ講演会 レポート

先日、『カミエコ日記』の編集長が、社外向けの講演会に登壇いたしましたので、今回はその日の様子をお伝えします。

”Paper&Green”ウェブサイトでは企業の環境課題に対し、様々なアイデアをご提案しており、また、これまで多くのお客様に脱プラ、減プラ、紙化に関するご相談を頂いております。

 

講演ではこれまでお客様と一緒に課題を解決させて頂いた経験をまとめ、「脱プラ・減プラ・紙化の現状と課題~日本紙パルプ商事が提案する紙化ビジネス~」というタイトルで、約60分にわたりお話しをいたしました。

【①なぜ当社が紙化ビジネスに注力しているのか?】
近年、人口減少・デジタル化により、紙板紙の内需はピークである2000年と比べ、約1/3が失われております。
また、「ペーパーレス=環境に優しい」と、誤った認識を訴える広告も散見されます。

紙は、原料の約67%が古紙(2023年実績)であり、リサイクルシステムが確立された素材です。
また、木を原料としている再生産が可能な素材であり、紙業界は植林をして二酸化炭素を吸収する若木を育てています。
紙流通業は、紙に関する正確な情報と、魅力を正しく伝え、新しい市場・需要を作り出していく必要があると考えています。

【②お客様に多いお悩みとは?】
脱プラ・減プラの対応策として、多くの企業がさまざまなアイデアを提案しています。
(例:プラスチックの薄肉化、バイオマスプラの採用、生分解性プラ・セルロース、モノマテリアル化、そして 紙化 など)
“Paper&Green”にご相談頂く多くのお客様は、「透明な紙」「リサイクル」「循環」「食品包装の脱プラ」といったキーワードに興味を持ち、アクセス頂いております。

【③当社が提案する独自の紙化アイデアのご紹介】
お客様にご提案をする際は、単なる紙化に留まらず、ニーズに合うオリジナリティにあふれたご提案をしております。

■食品分野
カミエコ® バリアパック
スーパーマーケットでは、紙パッケージを見かける機会は増えていますが、その多くは二次包装で、一次包装には、バリア性を保つため、アルミ箔や蒸着フィルムがラミネートされています。
当社では、紙素材でありながら、アルミ蒸着フィルムに匹敵する優れた酸素・水分バリア性を実現した「紙製バリアパッケージ」をご提案しております。

■非食品分野・アパレル分野
カミエコ® アパレルパック
段ボール古紙100%の再生紙を表面基材として使用した、環境配慮型アパレル向け包装『カミエコ® アパレルパック』をご提案しております。
「再生紙品」といえばノートやトイレットペーパーを連想する方が多いと思いますが、本製品はアパレル向け包装袋として、日本紙パルプ商事グループの株式会社エコペーパーJP製造100%段ボール古紙再生紙“エコピア”を使用し、新たな紙化パッケージを提案しています。
また、100%段ボール古紙再生紙を活用した粘着ラベルの開発にも着手しています。

カミエコ® 紙エール“デザインウインドウ”
また、「紙のパッケージだと中身が見えない・・」というお客様のご要望には、紙自体を透明に加工した『カミエコ® 紙エール“デザインウインドウ』をご提案しております。
プラスチックフィルムやグラシン紙の窓を貼り合わせることなく、紙そのものを透明化することで実現する透明窓付のエコパッケージです。

■農業分野
紙製農業用マルチ サステナマルチ
農業分野でも大量の石油由来のプラスチックが消費されています。
畑で使用するマルチシートを紙化し、①回収不要②産廃処理不要③地温抑制効果④マルチャー使用可能を実現した製品を、ご提案しております。

■物流分野
アドバンテージストレッチラップ
パレット梱包に多用されるストレッチフィルムは世界の物流を支えています。そのストレッチフィルムを紙で実現すれば大きな減プラ効果が期待できます。ストレッチフィルムの紙化にも取り組んでいます。

【④脱プラだけではない!コストダウンと紙化を同時に実現した事例のご紹介】
紙化のお手伝いをしている中で、「プラスチック⇒紙」に立ちはだかる最大の壁は、やはり「コスト」です。紙化を進めると、資材コストが大きく上昇します。ですが全ての場合でコストが上昇するわけではなく、脱プラと同時に、コストダウンを実現した事例もございます。

<某通販会社様向け、【カミエコ® ポストインパック】のご提案>
従来のポストイン宅配段ボールは、アパレル製品+一次包装(ポリ袋)+段ボール箱でしたが、脱プラを実現するために、撥水ニスコーティングを施したポストインパックをご提案し、採用頂きました。

段ボール箱⇒ポストインパックに変更したことで、アッセンブリー作業の省略、一次包装用の資材(OPP袋)の調達コストゼロ、運送会社のトラックスペースの効率化、お客様の廃棄の簡略化(分別が不要に!)と、多方面にとって満足いただけました。

以上が講演の様子となりますが、当社では、紙の素材の良さを正しく理解し、上手く使っていくこと、そしてオリジナリティある提案を考え、お客様の課題を一緒に解決することに取り組んでいます。

脱プラを実現するだけではなく、コストダウンや作業効率も実現できています。
「紙化は魅力的だけど、紙はコストが高いんだよな~」という声をよく耳にします。
ですが、すべてがそうとは限らないのです。地球環境にやさしい紙素材の可能性をあきらめず、追及していかねば、と再認識された方が多いようです。

また、同時に紙の価値普及向けての取組みとして、「出前教室プロジェクト」、「ワークショッププロジェクト」、「紙の研究会プロジェクト」を立ち上げ、紙の価値や機能を定量的に示す調査研究を行い、知見を積み上げ、紙に関する正確な知識を皆様にお伝えることにも挑戦しております。

これからも当社は紙という素材にこだわり、会社全体で、紙にできることを考え、そして新しい市場・需要を作り出していけるよう努めてまいります。

by だいちゃんまま

オリジナル カミエコ シリーズ – Paper & Green 紙と創る、ひとつ先の未来。

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