オリンピックでパリが熱い!
フランスと紙の因縁も熱い!!
毎日毎日、外に出るのも億劫な暑い夏!!
そんな今年はオリンピックイヤーということで、外出はやめて家でのんびりオリンピック観戦をするのが楽しみです。
今回の開催地はフランス・パリです。古くからヨーロッパの文化の中心であったフランス。そんなフランスと紙の関係が気になり、調べてみました。
紙が中国からイスラム社会を通じヨーロッパに伝わって以降、フランスは長らくヨーロッパにおける製紙大国でした。太陽王ルイ14世の統治のもと、ヨーロッパの文明の最先端であったフランスでは、書物や装飾用の壁紙など、紙の需要の高さから製紙技術が発達したようです。
当時の紙は麻や木綿が原料で、ぼろきれを細かくして紙を抄いていましたが、紙の需要拡大に伴いぼろが不足するようになると、18世紀ごろには、木材パルプから紙を作る、という手法に移り変わって行きました。
フランスの学者レオミュールがスズメバチの巣が木の繊維で作られていることに気づき、パルプの発見に繋がったと言われています。
機械による製紙が始まったのは18世紀のこと。なんと世界で初めての抄紙機を発明したのもフランス人。
1798年に、ルイ・ローベル氏が連続抄紙機を発明しました。
手漉きという莫大な労力をかけて作られていた紙は、その後、改良された抄紙機によって大量生産が可能になっていきました。日本に抄紙機がやってきたのは、19世紀後半のことです。
(ここで渋沢栄一が欧州視察で目にした製紙産業を参考にして日本に近代的な製紙工場を設立しました。ちなみに、渋沢栄一は当社の前身/中井商店にも顧問として関わっていました!)
こうして見ると、製紙の発展にフランスは大きく寄与していたことが分かります。
それと同時に、やはり紙と文化の密接な繋がりを感じます。フランスのオーベルニュ地方では、いまだに布を原料とした伝統的なコットン紙を作っている村があるそうです。
繊維業界の大量廃棄が問題になっている昨今……近い将来に布から作る紙が復活するかもしれませんね。
次に、サステナブルな社会を目指す「エコ先進国」、現代のフランスにおける紙事情を見てみましょう。
ファッションの最先端、アートの街。そんなイメージのパリですが、エコロジー意識が高いのも近年のパリっ子の特徴です。
フランスではずいぶん前から小売店ではプラスチック製の袋が有料化されています。
また、環境を意識して冷房も使わない人が多いそうです。
昨年度は紙のレシートが撤廃されたというのでびっくり。
レシートに使われる感熱紙は、リサイクルができない「禁忌品」であることが大きな理由です。
(ちなみに当社グループのコアレックスでは、そんな厄介な感熱紙レシートもトイレットペーパーの原料として再生可能なんですよ!)
この夏、オリンピックで沸き立つパリが今回の大会期間中に力を入れているのが「プラスチックを使わない」ということ。パリのイダルゴ市長は、五輪誘致の時から「環境に優しい大会、でなければ開催しない」と宣言し、サステナブルなオリンピックの開催をめざしてきました。
市内競技場へはペットボトルが持ち込み禁止で、マイボトルの持参が推奨されています。給水所が多数設置され、入場者はそこでマイボトルに給水できる仕組みです。
マラソンの給水にはリサイクル可能なコップを使用し、また選手村のベッドは東京五輪でも話題となった段ボールベッドを引き続き導入しているそう!
オリンピックで使用する全ての素材をリサイクル可能に、というパリ市民の意気込みを感じます。
これぞまさに「エコ先進国」ですね。そんなフランスの事情を知りつつオリンピックを見ていくと、面白い発見がありそうです。
日本でも包装容器の紙化が少しずつ進んでおり、当社でも紙素材の様々なパッケージをご提案しています。
こんなことを紙で実現できないか、といったご相談をぜひお寄せください!
by 栗乃